今年は戦後80年、高松平和病院・香川民医連では、平和を求める取り組みを例年になく旺盛にすすめてきました。県内を横断する原水禁平和行進には香川民医連全体で105人の職員が参加しました。広島・長崎の原水禁世界大会へ研修医・検査技師の参加者を、沖縄名護市の辺野古連帯行動に病棟看護師二人を送り出しました。広島への親子平和バスツアーでは職員とその子どもが平和について学ぶ機会をつくりました。
話は変わって、私が学生時代に実行委員として関わった全国医学生ゼミナール(医ゼミ)が先週末に島根大学で行われたので、22年ぶりに参加してきました。その中で平和に関する学生レポートが毎年作成され発表されるのですが、そのテーマは、戦後80年、戦争体験者の減少に伴う継承問題と平和教育がとりあげられていました。その出来栄えがあまりにもよかったので、一部紹介したいと思います。
『医療者が平和を学ぶことの意義として、①平和は医療の前提条件、②歴史から学ぶ医療者の責任(優生思想をおしすすめたナチスにおける医学者の責任、日本陸軍731部隊による人体実験)、③平和教育を受けた医療者の社会への影響 と3つにまとめた。
平和教育を受けた医療者は、医療者としての視野を広げ、命と健康を守る使命を改めて考えるきっかけとなり、社会においても平和を支える存在となる。専門職としての信頼と専門性を背景に、医療者の戦争と平和に関する発言は強い説得力を持つ。(国境なき医師団、日本赤十字社、IPPNW、反核医師の会などの活動)』
学生がつくったものとは思えないくらいの質の高さに圧倒され、出雲から帰ってきました。地元香川で働きながら学びながら、医療従事者として平和を希求していきたいと思う夏でした。そして、次の10年20年も戦争がなく平和であるように、戦後90年、戦後100年を迎えました、と言えるように仲間と行動していきたいと思います。