先日とある民医連病院へ訪問交流をしてきました。この病院は古くから地域の厚い信頼があり、歴史的に規模や病床数を増やしていき、2019年に建て替え新築移転を果たし、411床の病院となりました。思ったより広い土地が手に入り、都市部の病院にしては4階建て・縦横に広くて、とてもゆとりのあるきれいな病院に生まれ変わりました。古い病院は8床部屋があったということですが、今は個室率40%まで増やして、換気空調も最先端のものであり、院内クラスターは大きなものは発生せず、地域のコロナ対応に大きな役割を果たしたそうです。
しかし、経営的には大変苦労しているようです。看護師確保が難しく現在411床のうち1病棟分の40床を閉鎖していたり、急性期維持のための患者確保(救急車受け入れ数と紹介患者数)が不足していたり、過剰ともいえる施設投資を抱えていたり(2台の最新鋭MRI、産科分娩数の不足、循環器カテ室、広めの救急室、やや医師が増えすぎたことなどが話題にあがっていました)、どこから手を付けてよいのやら、という状況のようです。
昨年の診療報酬24年改定では、重症度・医療看護必要度がより厳しくなり、「なんちゃって急性期」の追い落としが激しさを増しています。規模も地域も違う病院ではありましたが、地域にかけがえのない病院をどうやって残すのか、政府の動きも見ながらうまく乗り切っていかないといけません。(もちろん「たたかい」の部分である政府への社会保障の充実をかちとるための運動も極めて重要です。)
病院の内部的には、がんばって働いているスタッフの総意を病院の理念と方針に一致させること、リーダーシップとボトムアップのがっちりとしたバランスをとること、スタッフ一人ひとりのがんばりに報いること、など病院運営の課題を交流する場となりました。