Vol.30

平和病院のジェンダー平等の現状

最近いろいろな会議で、ジェンダー平等が話題にのぼります。先日、全日本民医連医師委員長会議が週末の土・日曜にウェブ会議で行われました。コロナ禍以前なら、土曜日の朝に東京へ行って、土曜昼から日曜昼まで会議があって、日曜日の夜に香川へ帰ってくる、月曜日からまた仕事というのが日常的な出張でした。しかし、現在はコロナ禍で地元で参加できるウェブ会議になった上に、さらに、ジェンダー平等や働き方改革の観点から、休日に会議をするのはこの時代にいかがなものか、という声も出ていました。

病院組織というのは、そもそも女性が多い職場であり、医師も女性が増えてきています。(医学部入学差別が数年前に話題にのぼりましたが、現在は医学部入学者の男女比は6対4くらいになっています。)当院での管理会議の男女比は7対10であり、女性初の副院長や約15年ぶりの女性医事課長、香川民医連では女性初の県連会長が誕生しています。また、男性医師の育休取得も積極的に取り組んでいます。

しかしながら、やはり男性が多くなる傾向があります。この原因としては会議類が時間外に多いことが要因の一つとしてあります。家事や育児は女性がするものという慣習から男性なら夜まで会議が可能となるという構図です。この男性中心に組織される人間関係のことを「オールドボーイズネットワーク(おやじネットワーク)」と呼び、女性の社会進出を阻んでいるといわれています。

この慣習により日本全国のジェンダーギャップ指数(2021年)が156カ国中120位という低水準、政治家や管理職にまだまだ男性が多いということを表しています。ちなみに韓国は102位、中国は107位と東アジア圏では儒教の影響があるとされています。

先日の会議では、とある県のすすんだ取り組みの紹介で、会議は極力平日の勤務時間内にする、会議はできれば30分、長くても1時間までにしている。時間外の長い会議に参加できないのは個人の責任ではなく、組織の問題であり、参加の機会を奪っている、と考えている、とのこと。

男女比の是正をするためには、たまたま個人の条件によってできる・できない、ではなく、男性であれ女性であれ、どのような立場の職員であれ、職務をまっとうできる環境を整えることが大事だということを常に考えていきたいと思います。

(LGBTQ・セクシュアリティや性暴力の問題はまた別項で取り上げたいと思います。)