民医連医療11月号の『「ケアの倫理」を学ぶ』最終回「認知症グループホームの離設・施錠・ケアの倫理を考える~ダイアログで探究する~」(東京いきいき福祉会常務理事;斉藤加代)でダイアログ(対話)の大切さについて学びました。
その内容は、東京の福祉法人の役職者会議で「認知症グループホームの離設・施錠・ケアの倫理を考える」というテーマでダイアログ方式による会議(対話)が行われたというものです。施錠しないことによる離設のリスクや施錠による人権侵害などが闊達に意見交換され、参加者それぞれの多様性のある意見交換でより深められたとあります。結論的には、「施錠は人権侵害」というとらえ方がある一方で、入居者・利用者の安全も配慮しなければならないことも共有されたとのこと。また、自分の思い込みを排除し事実を共有する、そして他者のナラティブに寄り添い、チームでケアをめざすことが私たちのさらなる強みとなる。とまとめられていました。
その考察の中で、『他者と働く;宇田川元一(2019)』から引いた一文
「誰もがそれぞれのナラティブを生きているという意味で偏った存在であり、自らの偏りを認め、対話を実践していくことは、惨めさをも受け入れながら、何かを生み出そうとする大変偉大なこと」
斉藤さんのまとめ部分
「単に教訓を一方向的に導くのではなく、対話を通じて歴史や事実、自身の内面と向き合い、相互理解を深めていくことが「その人らしいケア」への発展につながっていくと考える」に大変感銘を受けました。
私たちもよく対話、対話と言いますが、この抜粋のような態度で対話をしていたかどうか、我が身に問い直しました。ともすると持論を押しつけたり、教条的に諭したり、ということがなかったか、と振り返ることができました。早速宇田川元一さんの本を買いに行き、勉強しています。

書影データー:他者と働く~「わかりあえなさ」から始める組織論~
著者名:宇田川元一
出版社:NewsPicksパブリッシング



