先週末にサンポート高松を会場に第49回全日本民医連呼吸器疾患研究会が開催され、北海道から沖縄までの全国から66名の参加者が集まりました。昨年元旦に起こった能登半島地震や阪神淡路大震災から30年が経過したこともあり、災害医療をテーマとしました。
記念講演①では、香川大学地域強靱化研究センター特任教授の金田義行先生による「南海トラフ巨大地震にどのように備えるか?~能登半島地震の教訓から学ぶ」という演題で、地震工学、地震予測、東日本大震災や能登半島地震の被害の状況や教訓について最新の研究成果を披露いただきました。そして、未来志向の防災により災害関連死を減らすことが今後の課題と結ばれました。
記念講演②では、元全日本民医連会長の藤末衛先生による「阪神淡路大震災から30年、記憶し語り継ぐべきことは何か」と題して、阪神淡路大震災の発災時に勤務されていた東神戸病院での災害救助の実際、大災害の特徴として社会経済的な弱者により強い人的被害が出て、その後の復興でも取り残され格差が拡大すること。30年の総括として、災害救援活動を通じて被災者との共同の営み、ケアの倫理を深化させることが重要であると強調されました。
【呼吸器診療とは、現実社会で汚された空気を直接肺の中に吸い込んで疾病を起こすもの、これはSDHそのものであり、他の臓器の疾患にはない特徴である。呼吸器科診療こそ民医連において今後も重要な役割を果たしていくのは明らかである。】これは藤末先生が懇親会の乾杯挨拶で述べられた一部です。私自身は呼吸器内科医を一応名乗って仕事をしていますが、全国には呼吸器疾患あるいはそこから見えてくる社会問題に熱心に取り組んでいる仲間がたくさんいること、仕事を学術的にまとめ、社会に発信することの大切さを改めて実感しました。
運営に携わった多くの実行委員の皆様、大変お疲れ様でした。

実行委員の皆さん