Vol.98

最近の医療関連のテレビ報道番組

最近、テレビや週刊誌、各メディアで病院や医療が危機に瀕しているという報道番組が多くなっています。いくつか気になったものを紹介します。

●NHKスペシャル「医療限界社会 追い詰められた病院で」(6月1日放送) 済生会江津総合病院 島根県の地方都市の中核病院で医師・看護師をはじめすべての医療職が不足しており、病床閉鎖しながらも病院自体がなんとかつぶれないように青年医師が奮闘。また、病院内で医療事故が頻発していることをあたかも高齢になっても働き続けなければならない医師のせいであるかのように描き出しており、番組に対して医療界から批判の声が出ている。


●テレ東:ガイアの夜明け「看護師が足りない!」(4月25日放送) 西淀病院(大阪民医連の北部の中核病院) 218床の病院、約160人の看護師のうち30人が大量離職していることを取り上げ、残った人員にしわ寄せがきており、夜勤回数の増加など現場が逼迫していることを取材。また、看護師増やせ、診療報酬上げろ、の医労連のデモ行動なども取り上げている。


●NHKおはよう日本「なぜ医師たちは美容医療に?」(3月23日放送) 自由診療を中心とする美容医療にすすんだ若手医師・中堅医師が登場。他科の先輩や同僚医師たちが過酷な勤務に従事している姿を見て、進路を決めたとのこと。「直美」など、美容医療に進む医師が急速に増えていることは、“このままでは保険診療が崩れかねない”という警鐘であると捉えるべきです、と締めくくる。

民医連が全国でこの間行ってきた、医師増やせ署名やナースアクションで世論を喚起してきたこともあり、まあまあの論点でマスコミ報道がなされるようになっています。4月には自民党の自見はなこ衆議院議員を中心に自民党や日本医師会など関係団体で「医療・介護・福祉の現場を守る緊急集会」が大々的に開催されています。こういった世論に押され、5月には加藤財務大臣からも「2026年度診療報酬改定の前に期中改定も求められる状況だ。補助金と診療報酬による対応が必要」とのコメントも出されています。

この流れをさらに大きなものにするべく、来月には参議院議員選挙があります。職員の皆さんは必ず投票に行き、私たちの主張が通りやすくなるような政治への転換を求めていきましょう。

※テレ東「ガイアの夜明け」HPから