Vol.95

ケア労働者に手厚い社会・医療体制の拡充を

働き手人口の減少により、新卒・進路選択として、ケア労働者が市場から減り続けています。そんな中、今年ほど労働者の権利を求める春闘に注目が集まった年はなかったかと思います。一般大企業の春闘では、満額回答が相次ぎ、優秀な労働者確保のために、新卒初任給を数年かけて3万円上げたというニュースも見ました。それに引き替え、当院も含めて、医療・介護関係の春闘ではベースアップゼロなどの回答が相次ぎ、完全に取り残されています。

そこには、光熱費やあらゆる資材の急激な物価高騰でも、病院や介護施設の収入となる診療報酬・介護報酬の上げ幅は到底追いついておらず、多くの医療施設が倒産の危機を迎えています。(実際2024年に倒産や休廃業・解散した医療機関が786件と過去最多になっています)これでは新卒世代、職業選択する高校生世代にとって医療分野は魅力がなく、人材が他産業に流れてしまいます。いまいる職員の離職も止まらず、医療の存続が危うくなってしまいます。

医療機関を支え、地域医療を充実させること、医療従事者のさらなる賃上げや物価高騰への対応のために、政府が主導する医療費抑制政策を抜本的に改め、診療報酬の大幅拡充を実現するべきです。多くの職員や患者さん、地域の皆さんと力を合わせて、地域医療を守れ、診療報酬の充実せよ、の声を大きくしていきたいと思います。

平和病院前でストライキをする職員の皆さん