今週月曜日から現行保険証の新規発行が停止され、マイナ保険証へ一本化されます。
当院でも利用ができるように端末を準備しており、予想より多く使われているとのことです。10月までは利用率は全国平均で15%程度とのことで、10人に1-2人だったということで、まずまず利用されるようになりました。
政府の主張するメリットとしては、医療DXのために、処方履歴の参照や受付業務の負担軽減などがあります。今後の労働人口の減少やいずれ当たり前になるすべてがデータ化される未来を考えると、この変化を一定受け入れていかないといけない部分もあるかと思います。
しかし、いまのところデメリットやトラブルが目につくので、医療機関・利用者ともに慎重にならざるをえません。読み取りエラーや窓口負担割合の間違いなど端末などのトラブルを経験した医療機関は7割程度とのことで、医療機関側の忌避感が拭えません。他医療機関の処方内容がわかるということですが、薬局で作ってくれている「お薬手帳」の一覧性がまだまだ便利そうです。利用者側としても保険情報が他人のものとひもづいていたなどは言語道断のトラブルです。
また、この国家的事業の裏では、財界が一儲けしようと動いているのも私たちは見逃してはなりません。経団連などの財界側は、医療分野におけるビッグデータが利用できるようになることに大きな価値がある、なんとしても推進させなければならない、と息巻いています。
国民の利用がすすまない背景にはそうした政府や財界のきな臭い動きを感じ取ってのものです。このたびの衆議院選挙で政府与党の議席数が減った背景である政治とカネの問題と通ずるものがあります。信頼される政府や仕組みになるように、我々国民・医療提供側も監視の目を厳しくしていかなければなりません。