Vol.83

ピンチをチャンスに! 病院長会議に参加して

先週末、全日本民医連の病院長会議に参加してきました。その記念講演で、15年ほど前に群馬県・利根中央病院が医師不足の中からいかに病院を建て直したか、そのときの伝説の病院長先生のお話しを聞きました。当初から半分以上の医師が群馬大学から派遣されていたのですが、あるときに多人数の医師引き上げにあってしまい、それをきっかけに元から民医連でがんばっていた医師も燃え尽きなどで退職が相次ぎ、59人いた医師数が34人まで激減しました。これを全国からの民医連の医師支援で支えて、なんとか乗り切ったわけですが、内部の管理部も相当な議論と苦労を重ねて、問題を解決していきます。

その講演の中で印象に残ったこととして、「ピンチをチャンスに」とはよく言われますが、具体的にはどんなことをするのか。4点があげられていたので紹介すると、①初心に帰る、②外部の意見を(素直に)聞ける、③体制を変える、④無駄を省ける です。

群馬民医連が実際に行ったことは、強みに光を当てることを中心に、救急車を断らない(地域の救急受け入れトップ、応需率96%以上)、地域を大事にする(組合員組織率が高い)、経営よりも医師研修に力を入れる(派遣に頼らず自前で医師を確保する、全員が研修に関わる、実際V字回復し現在77名まで増加)。

実際、倒産の危機までは逃れたいので、そうなる前に、常に危機感を持って日々挑むということが大事になります。平時から上記4点を常に意識した病院運営を心がけたいと思います。

今月号の「民医連医療」に取り上げられた誌面