Vol.77

組合員参加の職員育成 ~香川医療生協「模擬患者の会」

日本医療福祉生協連の機関誌である「comcom」に香川医療生協が組織運営している『模擬患者の会:学び合いで私たちの医療をはぐくむ』が特集されていました。この会は組合員さんと職員の参画により2007年に始まっています。職員のコミュニケーションスキルの質を高めて、患者の思いに寄り添う対応や、信頼関係を築くことを目的にしています。また、参加する組合員さんにとっては、「地域のみなさんに自信をもって香川医療生協の医療をひろげたい」「地域の医療を担う高松平和病院を知ってほしい」という思いもあります。

誌面では今年4月に行われた、新人看護師研修の様子が掲載されています。模擬患者さんに相対している当院の新人看護師の真剣なまなざしが印象的です。参加者の感想として「患者役のみなさんが、ていねいで的確なアドバイスをしてくださり勉強になりました」「自分の振る舞いを客観的に知ることができ、直したいと思いました」と研修を受ける側にとって大切な気づきとなっています。

研修病院の第三者評価機構である「JCEP」の評価項目の中には、「臨床研修病院のあり方について、地域からの声に耳を傾けている(Pg.1.2.3)」とあり、病院内の他職種協働での育成の枠を越えて、病院外の協力を求めることが必須とされています。当院は医療生協・組合員組織である強みがあり、職員研修にも参加してもらっています。地域から必要とされ続ける病院であるために、職員は地域の組合員さんに厳しくも温かく育てられ、組合員さんの側からは自分たちが育てた職員・病院に診てもらいたいと思ってもらえるような、双方にとってプラスとなる取り組みを行っています。

comcomの誌面:2024年7月号