Vol.72

「憲法9条の碑」プロジェクトが始まります

香川民医連所属の各事業所、医療生協、労働組合などを中心として、「憲法9条の碑」プロジェクトが始まります。これは、全国の民医連組織が全国各地に碑を建てよう、と呼びかけられ、それに応えたものです。1年前に京都府舞鶴市、半年前に宮城県塩竃市の事業所にそれぞれ建てられたことが話題となり、現在も数カ所で計画されています。私たちのプロジェクトは、5月18日にスタート学習会をジャーナリストの伊藤千尋さんを招いて行われます。また石碑建設費用100万円を目標に募金も集めていますので、是非ご協力ください。

憲法9条は言わずと知れた、平和主義・戦力不保持の条文です。個人的には、中学校3年の社会の定期試験で丸暗記して答案用紙に書き込めば得点がもらえました。しかし、それからはきちんと読む機会がなく、一文たりとも思い出すことができません。

悲惨な戦争を経て、命と平和が大切にされる社会をつくろう、と決意した憲法の条文であり、その精神は日本だけでなく世界にも通じ、現在だけでなく未来を照らします。いまその精神が忘れられようとしています。ロシアがウクライナへ、イスラエルがガザへ侵略しました。その際に出てくる議論が、「9条を改憲しないと日本は守れない、中国や北朝鮮に攻められたらどうするんだ」というものです。しかし、武力での抑止力は相手の軍事力に見合った軍備が必要であり、増額された防衛費は必ず社会保障費を削った財源で充てられます。これ以上、医療・福祉・教育予算が削られて日本が今後文明国家として成り立っていくでしょうか。

平和病院の理念の3つ目には「平和と医療・福祉を守ります」とあります。平和でないと充実した医療や福祉は実践できません。「Think globally ,act locally」世界平和・非戦の誓いを実現するべく、香川で初めての9条の碑を建てて、もっと身近に平和を感じ、その思いを医療に活かしていきたいと思います。

参考文献:「非戦の誓い~「憲法9条の碑」を歩く」@伊藤千尋:あけび出版