「『おまえたちは休日返上で働いて、その分、もうけたからいいじゃないか』と、そういったことを言わんばかりの資料が掲載されたことは極めて残念です」日本医師会長の松本吉郎氏が11月2日の会見で怒りをぶちまけた。【東京新聞の特集記事より】
11月20日に財務省財政審から公表された診療報酬のマイナス改定が波紋を呼んでいます。診療所の初診・再診料を中心に診療所の報酬単価を5.5%引き下げるなど診療報酬本体をマイナス改定にするとのことです。その報告書によると、医科診療所の「経常利益率」が2020年度の3.0%から2022年度までの8.8%に伸びており、これを儲けすぎであると指摘しています。
しかし、これはコロナ禍で診療収益が落ち込んだ2020年と、休日夜間返上でコロナ予防接種や発熱外来などに対応してきた結果です。むしろ、2023年度はコロナ特例が大幅に縮減された一方、電気代や食料品の物価高騰によるコスト増で経営環境がますます悪化しています。今回のマイナス改定でさらに医療機関の経営体力が削がれ、かつてない危機に直面することは明白です。
そして、その一方、屋久島沖で墜落した米軍所属の特殊作戦機オスプレイ。これまでにも何度も事故を起こしている“構造的欠陥機”であると日本配備の際にもよほど問題になっていました。正直、やっぱり落ちたよね、という印象を持ちました。そのオスプレイを自衛隊は1機あたり約100億円、国内に13機保有しているそうです。【Wikipedia調べ】
先の財政審の公表では診療報酬はマイナス改定でありながら、防衛費は聖域とされプラス改定を続けています。日本国民の安全な暮らしといのちを守るために診療報酬と防衛費、どちらを優先させるべきか、国民全体で考えなければなりません。
(参考:全国保険医新聞2023年12月5日号)