Vol.56

救急医療を維持することと医師の働き方

管理会議あいさつ

最近、救急医療を維持することと医師の働き方について、相反するできごとが続けてありました。

一つ目は、高松市救急医療二次輪番協議会と高松市医師会の懇親会。そのなかで、今年の香川県の救急車出動回数はこの半年間で前年比1300件多く、過去最高の出動数であることが報告されました。そのために各病院ともに過去最高の件数を受け入れているが、それでも救急搬送困難事案(医療機関への受け入れ照会回数4回以上、現場滞在時間30分以上)も過去最高とのこと。医師会からも「院内の医師の調整など大変だと思うが、各病院にはがんばってほしい」と檄が飛ばされました。

二つ目は、当院の宿日直許可を得るために、労働基準局の病院への立ち入り調査が行われました。(宿日直許可とは夜間や休日の当番の医師が労働をしておらず、十分な休息ができていることが証明できれば、許可がおりて、その宿日直をした翌日も働いても(働かせても)よいというものです。)その日日直をしていた医師の労働が逐一見られました。その日はあまり患者対応がなかったこともあり、無難に終わることができました。しかし、患者対応が多ければ、宿日直許可が下りず、当院の医師数では夜間の当番を回すことができなくなるため、救急受け入れを制限しないといけなくなります。これは当院だけでなく、高松市内の救急病院でも宿日直許可をとらないと大学病院からの宿直医師派遣が止まってしまうので、死活問題となります。

医師が増えれば、宿直の翌日の明け補償、子育て世代の育休補償、ある程度の年齢での宿日直免除、なにより毎日の仕事が定時で終わることが可能になります。以前から言い続けられているデータではありますが、OECD加盟36か国中で日本の人口当たりの医師数は最低レベルであると同時に、医学部卒業生は2019 年でも最下位(人口 10 万人当たり 7.1 人、平均は13.5人)のままです。

医者は大病院に多い、都市部に多いと局在的偏在とは言われますが、やはり絶対的医師不足は深刻な社会問題と言わざるをえません。救急医療を守る観点、医師の人間的な働き方を実現するためにも、医師を増やせ・医療を守れの声を大きくしなければなりません。

11月に行われる医師増やせの集会(ドクターズ・デモンストレーション)のチラシ