5月22日に香川民医連では久しぶりとなる、私にとっては初めての県庁・県政記者クラブで記者会見を行いました。毎年全日本民医連が行っている「経済的事由での手遅れ死亡事例」調査で、香川が報告した症例が、2021年度は1件だったのですが、2022年度は6件まで増えたことを発表するものでした。当日はNHKや四国新聞など8社の記者の参加があり、夕方にはKSBとRNCの同日夕方のニュースで、NHKは後日追加取材があり6月2日のニュースで放映されました。
一例として、「ガンの治療費支払いが困難で治療中断し、死亡したと考えられる事例」など、全体としては、借金や保険料を滞納するような生活困窮の実態があり、そこに病状の進行が加わり手遅れになっている事例が多く見られました。また、ほとんどが独居か事実上の独居(家族の関わりが薄い等)であり、家族関係の破綻も手遅れにつながったと考えられます。困難事例であるとキャッチした早い時期から寄り添い型支援ができる相談支援機関や、生活保護にいたらないまでも生活困窮に陥った段階で適切な支援ができるアウトリーチ型の相談支援体制の構築が望まれます。
また、香川民医連の5つの事業所で取り組んでいる「無料低額診療事業」について、民間病院だけでは実施規模や診療科も限界があるため、公立病院含め実施医療機関の拡充を呼びかけました。
事例が1件から6件に増えた要因としては、今回の記者会見もそうですが、病院やソーシャルワーカーの日頃の医療活動に加えて、病院前に無料低額診療事業の横断幕を掲げていることなど、日常的な医療活動の発信の成果がでてきていると思われます。そのために、地域包括支援センターや社会福祉協議会などの行政施設、または救急搬送時の病院選定の際にも「経済的に困っている人は平和病院さんへ」という意識が浸透してきているのではないかと考えています。
地域からは「困ったら平和病院」と頼られ、「誰のためになんのために」やSDHを合い言葉とし、自らの仕事が地域や社会に貢献していることを喜び合える職員集団であり、病院・医療機関でありたいと思います。