Vol.45

物価高騰・国民の生活困窮と地方選挙

先日栄養管理委員会がありました。舩本食養科長から、「各業者から相次いで値上げのお知らせが届いている。これまで現状維持してくれていた鶏もも肉がついに100gあたり10円上がると連絡が入っている。それだけでも月に4000円アップする。来年度の食材費はもろもろ高くなって1人1日あたり750円のところが約1割高い830円になる見積りです。(現在1人1日あたり1920円の入院時食事療養費には変化なし)」と悲痛な叫びが発せられました。

ウクライナ侵攻、コロナ禍のもと、物価高騰と国民の生活困窮が拡がっています。香川民医連が把握した「手遅れ死亡事例」はいつになく多く6件が登録されました。全日本民医連が全国の事例を集めて記者会見を行い、5月下旬に香川県でも記者会見を行う予定にしています。こんな社会情勢であっても政府は軍事費を2倍化、アメリカからミサイルを爆買いしようと目論んでいます。

そこで今週末に行われる地方選挙です。

私たちは毎日いのちと健康を守る仕事をしています。うまく退院先が見つからなかったり、何度治療しても劣悪な生活環境によってすぐに再入院してしまう。その対応に忙しく働いて、選挙に行く時間も余裕もない、と言う職員もいるかもしれません。デジタルネイティブの若者にとっては、これだけスマホ一台でなんでもできる時代にわざわざ投票所まで足を運ぶことに相当な壁を感じているのでしょうか、ネット投票の導入を早急に、という論も一理あります。

しかし、そのいのちとくらしを左右する原因をつくる政治に何も言わずにスルーしてしまっていいものでしょうか。私たちがこの間勉強してきたSDHや人権、要するに社会をどう見るか、原因の原因を考える演習をしてきました。原因のすべてが政治にある、とは言いませんが、職員の皆さんにはじっくりと選挙と政治を考えてもらいたい。特に4年に一度、最も身近な自治体の方向性、暮らしのありようを決める政治に関与できる最大の機会である地方選挙です。誰一人棄権することなく投票所に足を運んでほしいと思います。

病院から最も近い選挙ポスター掲示板(栗林小学校前)