Vol.17

心理的安全性の高い職場作り その1

4月になり、新入職員も入職し、オリエンテーションに励んでいます。新入職員同士の横のつながりを作って、それぞれが各職場でのびのびと職域技能を身につけていってくれるものと期待しています。

さて、当院の今年度の病院目標に、「心理的安全性」が入りました。今年は是非みんなで学習もしながら、この心理的安全性について深め、各職場でも拡げていきたいと思います。新入職員の成長も合わせて、職場作りという側面でも非常に有用なものと考えられます。

元々の概念は50年以上前からあるものですが、Googleの研究チーム「アリストテレスプロジェクト」が2012年から4年間かけて行われた実験結果「チームの生産性を高める最大の要因は、心理的安全性である。チームの成功は、優秀なメンバーがいるか、というよりも、メンバー同士がいかに協力しあうか、にかかっている」と発表され、大きなインパクトを与え、そこから世界中に拡がっていきました。草分け的な研究者であるエイミー・C・エドモンドソン(ハーバード・ビジネススクール教授)の著書「The Fearless Organization」が「恐れのない組織」として昨年和訳出版されたことも日本で注目されるきっかけになっています。日本のヘルスケア領域では2017年から注目され始め、2019年から大きく盛り上がってきました。

この間本を読む中で改めて学んだことがあります。

【どんな意見であっても誰からも否定/反論されない・共感してもらえるという「優しい・ぬるい組織」が心理的安全性が高いということではない。お互いの知恵や意見を率直に出し合い、より良い結果が導き出される、結果にフォーカスした「厳しい組織」であることも心理的安全性の高い組織の本質】

医療業界では、IAレポートの取り組みで実感するところですが、心理的安全性が高い組織の方が、ミスや事故を未然に摘み取り、知識や技術の習得も早いことが示されています。
日々実践する中で職場・病院を活発にしていきましょう。

つづく。