ロシアがウクライナへ侵攻してから1週間が経過しました。ウクライナでは子どもを含む多くの一般人、また両国の兵士が多数死んでいると、毎日多くのメディアが伝えています。本当に心が痛み、職場の同僚とも意見交換しています。
私たち医療従事者は、人の生命や健康、生活がどれだけたくさんの人の仕事や思いで成り立っているかを知っています。理由がどうあれ、人が人の命を奪い合うということがあってはなりません。
このような紛争があると、世の中の動き・人の思いとして、「戦争反対、武器を捨てよう、紛争が起こる前に話し合いで解決を」となるのか、「戦争反対だが、自分を守るために他国から攻め込まれないために相応の武器を持って備えよう、自衛隊保持を憲法に書き込もう」となるのか、戦争反対の出発点は同じでも、まったく逆の立場になってしまいます。現在政界の議論として、自民党・維新の会の発言として、「非核三原則」を否定する論調が目立ちます。
私たちが所属する民医連の綱領には【人類の生命と健康を破壊する一切の戦争政策に反対し、核兵器をなくし、平和と環境を守ります】とあります。いまこそ、私たち医療従事者が今こそ【憲法の理念を高く掲げ、これまでの歩みをさらに発展させ】なければなりません。
また、戦争になると社会の関心が集中するために、マスコミ関係はメディアジャック的なことが起こり、国内の大事なことを決めないといけないはずの国会でも審議がストップしてしまいます。ウクライナ情勢のことをニュースでしている間にも国内のコロナ感染の勢いは衰えず、相変わらず多くの感染者・死者を出し、医療従事者は日夜対応に奔走しています。そういったことがまったく覆い隠されてしまうことも大きな問題です。つくづく、戦争と公衆衛生は相容れないものだということを実感させられます。