vol.3

投票は最も身近な行動で、最も大きな政治参加です

この1年半にわたって、私たちの医療現場は新型コロナウイルスの爆発的感染拡大で数多くの試練に立たされました。当院では院内トリアージや発熱外来を周囲の医療機関に先駆けて設置し、地域の発熱患者や非発熱定期通院患者の受診要求に応えてきました。

しかし、県内でも病床はひっ迫し、医療崩壊の中でいのちの選別をしなければならない事態に当院でも実際に直面しました。

その中で、政府の政策によりコロナ感染が拡大したと言っても過言ではなく、国民のいのちを軽視し、十分な対策も講じず、何の責任も果たさないまま自助を押し付けてきました。

群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春先生は今月の新聞紙面で、「PCR検査の抑制、原則自宅療養方針、GoToトラベル事業、五輪開催、の四大失策を自民党総裁選の候補が誰もが反省していなかった」と語っています。

そこで2日前に公示され、来週末投票の総選挙の話をしたいと思います。

中四国地協内のとある民医連の病院で、「選挙に行きますか?」というアンケートを最近実施したら、半分近くが「行かない」と答えたそうです。その病院の院長は愕然として、選挙以前の問題と頭を抱えていました。その理由の分析はできていません。誰に投票したらよいかわからない、誰に投票したってなにも変わらない、選挙がいつかわからない、今住んでいるところでは選挙ができない、親や周囲の人たちの誰も選挙に行ったことがない、など様々でしょう。

私たちは毎日いのちと健康を守る仕事をしています。うまく退院先が見つからなかったり、何度治療しても劣悪な生活環境によってすぐに再入院してしまう。その対応に忙しく働いて、選挙に行く時間も余裕もない、と言う職員もいるかもしれません。

しかし、そのいのちとくらしを左右する原因をつくる政治に何も言わずにスルーしてしまっていいものでしょうか。私たちがこの間勉強してきたSDHや人権、要するに社会をどう見るか、原因の原因を考える演習をしてきました。原因のすべてが政治にある、とは言いませんが、職員の皆さんにはじっくりと選挙と政治を考えてもらいたい。特に4年に一度、この国の方向性・いのちとくらしのありようを決める政治に関与できる最大の機会である衆議院選挙です。誰一人棄権することなく投票所に足を運んでほしいと思います。

#院長が仕事終わりに期日前投票へ行ってみた (駐車場で車を降りて、車に帰ってくるまで12分)