vol.9

「重要だが緊急でない仕事」こそ大事

「いまはしていないが、日頃から行えば、あなたの仕事に大きくポジティブな結果をもたらすと思うことを一つあげてください」

皆さん、改めて明けましておめでとうございます。

昨年半年くらいかけて、世界的に有名な啓発書「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー)を読んだのですが、その中で印象に残ったところをもう一度正月休みを利用して読み直しました。年始めですので、自分に対する発破かけのつもりでも紹介します。

「第Ⅱ領域が大事」という話です。自分の時間をどのようにマネジメントして、自分の仕事と周囲をどのようにバランスをとるか、というものです。「時間管理のマトリックス」という考えが紹介されており、「重要度」と「緊急度」の2×2の表です。

  • 第Ⅰ領域「重要かつ緊急」:危機への対応、差し迫った問題、期限のある仕事
  • 第Ⅱ領域「重要だが緊急でない」:将来に向けての備え、準備や計画、人間関係づくり
  • 第Ⅲ領域「緊急だが重要でない」:飛び込みの用事、多くの会議、無意味な接待・催し物
  • 第Ⅳ領域「重要でも緊急でもない」:雑用、暇つぶし、快楽だけを求める遊び

この4つの領域を眺めてみると、重要ではないⅢとⅣ領域は言うまでもなく、少しでも減らしたいものです。緊急性のあるⅠとⅢはともすると、仕事をした感じがあって、達成感を実感できるので、気をつけないといけません。

しかし、第Ⅱ領域は今すぐの緊急性はないものの、事前に取り組んでおく事で将来的にいい結果をもたらす重要な活動だということがわかります。目の前の仕事に打ち込んでいると、つい後回しになってしまう「第Ⅱ領域」ですが、第Ⅱ領域へ注力する為に、時間を生み出すことは容易ではありません。なぜなら、私たちは緊急度の高い活動に反応してしまうからです。第Ⅰ領域は、緊急に対応する必要があり、なおかつ重大な結果に繋がる事であり、あくまで優先順位が高いものです。「問題」や「危機」と言う言葉で表現することもできます。急いで対応しないと、損失を大きくしてしまうのです。

ただ、第Ⅱ領域に少しでも取り組む事で、第Ⅰ領域の縮小が可能になりますので、第Ⅱ領域に「取り組む時間」をなるべく意識的に作ることが重要です。

院長である私自身の身の回りで言うと、サマリーや紹介状を期限ギリギリまで作らず時間に追われてしまうことを少しでも減らす、または、締め切りのある原稿や発表スライドの作成を余裕をもって取り組む、院長しかできない仕事を意味あるものにしていく(スタッフとのコミュニケーション作り、管理や医療活動の勉強も含まれる)、というところでしょうか。

というわけで、自分の時間と情熱は有限である、ということを肝に銘じて意味のある1年間にしたいという年頭の決意表明にしたいと思います。