vol.6

レジリエンスの高いリーダー・職場

先日の勤労感謝の日に全日本民医連主催で、200床以下の病院長を対象に、中小病院長交流集会がありました。その場では、各病院のポジショニングやブランディング、経営問題、医師確保問題が旺盛に交流され、大変勉強になりました。

その会議やディスカッションで何回か「レジリエンス」という言葉が繰り返されていました。言葉としては知っていますが、深くは知らなかったので、いま本を読んでいます。全米心理学会では「逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス」と定義されています。

私たちは日々の仕事の中で、変化やストレスに常にさらされています。その変化に抵抗するのではなく、変化を積極的に受け入れ、柔軟に対応できることが現代のワーカーには必要です。

特に、現在はストレスのかかるコロナ対応や、コンプライアンス重視の医療現場の細かい規制関係、管理者であれば個人の多様性を重視した職場管理などが必要です。それらに一喜一憂していては現代の管理職・リーダーは務まりません。

ここでは今読んでいる本を参考に、2つの3つをあげます。(【リーダーのための「レジリエンス」入門】久世浩司著@PHPビジネス新書から)
1つ目の3つは、レジリエンスの高い人の持つ特徴として、
① 回復力:ストレスがあってもすぐに元に戻れるメンタルの強さ
② 緩衝力:ストレスに対して耐性をもつ打たれ強さ
③ 適応力:予期せぬ変化に抵抗するのではなく合理的に対応する力

2つ目の3つは、レジリエンスを鍛える3つのステップとして、
① 底打ち:ストレスがあってもその渦に巻き込まれずに、ネガティブ連鎖を断ち切る
② 立ち直り:再起をはかり、逆境を乗り越える
③ 教訓化:困難を乗り越えた後に、過去の逆境体験を静かに振り返り、次につながる内省を行う

これだけでは伝わり切りませんが、エッセンスだけでもお伝えできたらと思います。
本当は万事円満で波風の立たない仕事・職場であることが望ましいですが、みんなが一生懸命仕事をしている中ではなかなかそうはいかず、ときどき歯車が狂ってしまうことがあります。そういったときにレジリエンスの高いリーダーであり、職場でありたいものです。